【簡単!車のDIY補修】車に付いた小さな傷を自分で綺麗に直す 2019.11.15

自動車は、どんなに安全運転をしていても、「気づかないうちに小さな傷がついていた」というような記憶はないでしょうか?
傷を一度見つけてしまうと、なんとなく気にかかるためキレイにしたいのですが、費用も手間もかかることから、その都度修理に出すということも難しいと思われます。
実は、そういった細かいキズは、皆様がお求めいただける商品で十分目立たなくすることができるものなんです。

まずは、こちらの画像をご覧ください。
車のドア付近はどうしても人やモノの出し入れが多く、細かいキズが付着しやすい箇所です。

最初の大切なことは、「キズの見立て」。
どのようなキズかによって、そのキズに対しての適切な処方(=補修方法)が変わってきます。また、あわせてどの程度までキレイに補修したいかの完成イメージを決めておくと良いと思われます。
今回のキズは、サイズが1センチ未満で、塗装ははがれているもののヘコミがないため、筆塗りタイプの塗料『タッチアップペン』を超極細スプレーとして使用できる『エアータッチ』にセットしスプレー塗装で直していきます。

今回の作業の大まかな手順は次の通り。

1)下地処理(サビやキズのバリなどを落とす)
2)キズをパテで埋める
3)エアータッチで塗装をする
4)仕上げ(スプレー)

まずは洗車をして全体をキレイにしたのちに、耐水サンドペーパー(800番)を水につけ、キズ部分を磨いていきます。
(耐水サンドペーパーは、のちに使用する『光硬化パテ』のパッケージ内に含まれています。)

水をつけながら磨くことで、サンドペーパーの目詰まりを防止できます。また、キズ以外の部分に必要以上にキズがつかないよう注意して行ってください。
耐水サンドペーパーをこまめに水で洗いながら磨き、指先と目視で確認しながら作業を進めます。
サンドペーパーで磨くため、多少はキズ周辺に磨き跡が出来てしまいますが、塗装で隠せるので問題ありません。
最後に磨きカスと残った水分をふき取り完了です。

つづいて、『シリコンオフシート』で、キズやその周辺の汚れ・油分を落とします。
使用方法は、パッケージからクロスを抜き取り、そのまま拭き上げるだけ。

この後のパテやスプレーの密着度などに大きな違いが出ますので、補修の下地処理では「脱脂作業」はとても大切な作業です。以上で下地処理の工程は完了。

続いて、へこんだキズを埋める「パテ埋め作業」。
今回使用する『光硬化パテ』は「太陽光によって短時間で硬化する特殊なパテ」で、金属、プラスチックともに良好な密着性があります。
車のボディやバンパーの小キズ埋め(深さ2mmまで)に適しているため、今回のように、小さくてほとんど凹んでいないキズにはちょうど良いパテということがわかります。

『光硬化パテ』を使う時に何より注意したいのが、必ず太陽光をさえぎった状態で作業すること。
太陽光が当たると瞬時に硬化が始まり、作業ができなくなるので要注意です。

使用方法は他のパテと全く異なり、そのままキズに充填して埋めるタイプとなります。
細口のノズルがついているのでそのままキズの部分にパテを塗り、

付属のヘラで均すようにキズに埋め込み平滑にした状態を作ってから、太陽光に当て硬化させます。

完全乾燥後(晴天時 約5~20分)、耐水サンドペーパーでパテの部分を磨き、平らにならしていきます。

元の塗装との段差がなくすよう、慎重にパテを研磨します。
光硬化パテは削れやすいため、指先で段差を確認しながら注意して磨いていきましょう。

磨き作業完了のカットです。はじめの磨き作業より広く、周辺部分にも磨き跡がついてしまいますが、心配無用です。

いよいよ塗装のステップです。
エアータッチ塗装は小範囲への塗装が可能で飛び散りにくいのですが、今回は、給油口の蓋や、ドアが至近なため、塗装がまず間違いなく付着することが考えられるので、『幅広マスキングシート』でマスキングしておきます。
塗装箇所に近い部分で、塗装するパーツと異なるパーツには広くマスキングされることをおすすめします。

これでスプレー前の準備ができました。
※マスキング完了後、シリコンオフシートでパテの時よりも広く脱脂しておきます

今回使うのは、『エアータッチ』と『オーダーショップ タッチアップペン』。
補修塗料『オーダーショップタッチアップペン』は、店頭に並んでいるいわゆる「定番色」とは違い、1色ずつオーダーで作成する「特注色」の塗料になります。

まずは『オーダーショップタッチアップペン エアータッチ対応セット』の箱に入っている『オーダーショップ タッチアップペン』の塗料を『エアータッチ専用ボトル』に移す作業から。

移す前に、塗料のボトルをじゅうぶんに振り、中の塗料をしっかりと混ぜてください。
(目安としては、ボトル内の撹拌球がカチカチと鳴りだしてから、さらに50回程度振る。)

塗料の撹拌が済んでから、『エアータッチ専用ボトル』の「ここまで液剤がくるように塗料を入れてください」の線まで塗料を入れます。塗料がこぼれないように、慎重に移し替えてください。

入れ終わったら、ボトルのキャップを締めて、よく振ります。

もう一度キャップをはずし、今度は『エアータッチ』に付属するクイックアダプターをボトルに装着。

その後、クイックアダプター部分を差し込む要領で 『エアータッチ』に差し込んでセッティングが完了しました。

それでは、スプレーしていきます。
塗装のコツは以下のとおりです。
・一度に厚く塗装しない。塗装と乾燥を繰り返して仕上げること。
・キズの中心の塗装を厚くするイメージで塗装すること。

今回のキズはドアの当たり部で、ドアにはマスキングをしていますので、キズのやや左側からスプレーし、キズに塗装できたらエアータッチの缶を塗装箇所から離す要領で塗ると、キズの周辺部を自然にボカすことができまました。

1度塗装して乾燥、乾いたらまた塗装して乾燥を繰り返してキズの部分が目立たなくなるまで繰り返してください。
今回は「スズキ ZUU キャンディピンクM」というピンク色のカラーで、5回の塗り重ねでキズが完全に見えなくなりました。
カラーによって隠ぺい力に差がありますので、様子を見ながら塗り重ねてください。

続いて『クリアー』を塗装します。
エアータッチの塗装後は、仕上げスプレーやボカシ剤で終えてもキズ隠しはできますが、今回のカラー塗装がメタリックカラーということで、より目立たないように仕上げるため、上塗りのクリアーを塗装して仕上げます。

『ボデーペン チビ缶 クリアー』を使ってスプレーします。
通常サイズより小さいサイズで、小さなキズ補修に使うにはちょうど良いサイズです。

クリアーを上塗りすることにより、塗装表面に透明の被膜を作り、繊細なメタリック塗装やパール・マイカ塗装を保護するとともに、塗装表面にツヤを与え、元の塗装の色目に近づけることができます。

塗装範囲としては、エアータッチでカラー塗装をした箇所を完全に覆ってしまうようにカラー塗装より広くスプレーをします。

塗装方向は左から右へ、上の方から徐々に下の方に降りてくるイメージで、クリアーを塗り重ねながら塗装をします。クリアーも塗装と乾燥を数回繰り返し、ツヤが出てくるまで塗装をします。
ツヤを出すために一度に多く吹きすぎると、塗装が液だれしてしまうので注意してください。
3~5度程度塗り重ねてクリアーの被膜ができたらクリアー塗装は完成です。

『ボデーペン チビ缶 ボカシ剤』で仕上げです。

『ボカシ剤』という商品名、あまり聞きなれない商品だと思います。
エアータッチに定番色のタッチアップペンを装着して使用する際は、『エアータッチ専用仕上げスプレー』という商品が全く同じ効果の商品となりますが、商品名どおり塗装箇所と元の塗装の境界をボカすために使用する商品です。補修塗装した箇所の周辺部は、塗料が薄く定着するためザラついた状態で塗料が定着し、ツヤのない状態(=スプレーダスト)となっています。ボカシ剤はこのザラツキを溶かして平滑化することで、元の塗装と補修塗装の境界をボカして目立たなくするという役割があります。

上記理由から、ボカシ剤は全面にスプレーするのではなく、先ほどのクリアー塗装の周辺部のツヤが引けた部分をメインにスプレーをしていきます。

クリアー塗装後2分以内に、ザラついた箇所へスプレーをしていきます。こちらも一度に多量にスプレーすると垂れる原因になりますので、一度スプレーしたら塗装の状態をチェックしてください。徐々にじんわりと濡れた状態になり、ザラつきが平滑になってくるのを確認しながら、何度かに分けてスプレーします。
ザラついた部分が平滑になったら完成です。

塗装表面が手で軽く触れる程度まで乾燥したら、マスキングをはがして完成です。

近くで見てもほとんど分からない程度に仕上げることが出来ました。

 

今回ご紹介したアイテム